「さすが橘さんは一流だよな!」
↓
「ヒドォオチョグテルトヴットバスゾ!」
5年半前に終了した「仮面ライダー剣」の仮面ライダーギャレン・橘さんを演じた
天野浩成さんが、雛形あきことの熱愛という
何とも微妙な報道で久々にネットを
賑わせています。
橘さんといえば、国宝級のネタキャラとして特撮界では未だ圧倒的な人気を誇っており、
2008年発売の傑作サウンドノベル
「428 ~封鎖された渋谷で~」に出演した決め手も
制作スタッフによる
「橘さんじゃないですか!!」の一言だったと
言われています。
放送当時大学4年生だった私も橘さんによる数々の
奇行活躍に心踊った人間の一人であり、
今日は「橘さん梯子外されに負けず頑張ってください特集」として、そんな橘さんの魅力をご紹介します。
一部うろ覚えで描いている箇所もあるので、誤りなどあればご指摘ください。
■BOARD入社→職場壊滅
橘さんは「人類基盤史研究所」という組織に所属して怪人と戦う仮面ライダー、すなわち
「職業:仮面ライダー」です。それまでのライダーの職業といえば「オートレーサー」
「大学生」「冒険家」
「家事手伝い」など、今ひとつ生産性に乏しいものが
多く見受けられました。酷いのになると
「脱獄囚」や
「野生児(日本語はカタコト)」
みたいな
社会不適合者も混ざっており、そんな中で「怪人との戦闘」自体に給与が発生するという
橘さんは歴代の仮面ライダーの中でも恵まれた境遇にあると言えますが、第1話にしてその組織が
怪人の操る大量のイナゴに襲われ壊滅。折角の雇用があっけなく崩壊してしまいました。
組織にはもう一人、橘さんにとって後輩に当たる仮面ライダーがいました。組織崩壊時には
その後輩が怪人との孤軍奮闘を繰り広げたのですが、当の橘さんは何故かその戦いを物陰から
じっと眺めるばかりでした。
ナズェミテルンディス!!ナズェ!!
■俺の体はボドボドだ!
この頃、橘さんは
自分の体が緑色に溶け崩れるイメージに夜な夜な苛まれており、
それが急遽作られた変身システムに拠るものだと疑っていました。
後輩の戦いを前に
大した棒立ちだったのもそれが原因だったらしく、後に後輩へ
「不完全なライダーシステムで、俺の体はボロボロだ!」と言い放ちます。
ヘタレ界の金字塔と言ってもいいこのセリフはスタッフ内でも印象深かったらしく、
次週予告にて
「次回も見てくれないと、俺の体はボロボロだ!」と使われていました。
■だが私は謝らない
組織崩壊後も、研究所の所長である烏丸所長は奇跡的に生き延びていました。
彼曰く、橘さんのボロボロはシステムではなく、橘さん自身の恐怖心が原因らしいのです。
つまり
単純に橘さんの心がヘタレだからだという主張で、橘さんは受け入れません。
そんな橘さんに、所長は「お前がそうなってしまったのは、私の責任だ。
だが、私は謝らない。
その恐怖心を克服して、必ず戦いに戻ってくれると信じているからだ」と
ピントのずれた鼓舞。
結局橘さんは
「俺に恐怖心などない!」と怪人に挑むも、
戦うそばから戦闘力が急激に低下。
名無しの怪人にボコボコにされ、気絶してしまうのでした。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ
■もずく風呂
橘さんには小夜子という彼女(大学の同級生、女医)がいました。
度重なる敗戦に心が折れかけている橘さんに「南の島で静かに暮らそう」と提案するなど、
ややピントがズレがちですが優しい彼女さんです。
そんな小夜子に対し、
作成中のジグソーパズルのピースを呑み込むなど、橘さんの奇行は
徐々にエスカレートしていきます。
敵怪人の中には、人間に擬態することが可能な上級の怪人がいます。そのうち最初に登場した
伊坂という怪人、人間体はこんな感じです。
80年代の香りがプンプンしますが、
こんなキャラが日曜朝の子供番組に出演していたのです。
ちなみに、演じる本宮泰風さんは俳優・原田龍二さんの実弟にして松本明子さんの夫。
色々とよく分からないキャスティングでした。
さて、恐怖心に囚われた橘さんはこの伊坂に拉致られ、
もずくのたっぷり詰まった緑色い液体に
全身を浸されます。
このもずく風呂には恐怖心を取り除く効果があるらしく、橘さんは「元に戻った!」と大喜び。
以降4週ほど伊坂の手駒として働かされる日々が続きました。
■「サヨゴォォォォォォォ!!」
橘さんが
元々おかしかったけど更におかしくなってきていることに気付いた小夜子は、
橘さんを元に戻そうと賢明に尽くしますが、橘さんは耳を貸しません。
そして、
謎の旧型イケメンこと伊坂にも詰め寄った小夜子は、伊坂に殺されてしまいます。
そもそもライダーの分際でこうまで騙された橘さんが元凶な気もしますが橘さんは号泣。
伊坂に決着を挑み、見事勝利を収めるのでした。
…この時点で橘さんの伝説は半分も網羅できておらず、
謎のピッチングマシーン特訓や
「これ食ってもいいかな?」の件など語りたいことは山のようにあります。
そもそもここまでのエピソードは全体の1/4程度ですが、
この先橘さんは劇場版含めあと3回
敵陣営に騙されます。
演じる天野さん自身の伝説も数多く、劇場版の完成披露パーティで共演者がインタビューを受けて
いた部屋に突然飛び込み
「みんな、寿司が来たぞ!ウニもだ!」と叫んだ話など、大変
多くのレジェンドが記録されています。
いずれ、時間があるときにでも、そうした諸々について書いてみたいと思います。