最近読んで感動した本

日本の童貞

【著者】渋谷知美
【発行】文春新書
【ジャンル】ジェンダー社会学


<以下、amazonの書評のところ引用>

女性からは「オタクっぽい」「不潔」と蔑まれ、医学者からは「包茎だから」「パーソナリティが未発達」と病人扱い。初体験を済ませたら一刻も早く忘れ去りたい、そして未経験なら隠していたい―だが、そんな「童貞」も一九二〇年代にはカッコいいと思われていた。戦前から戦後にかけての童貞にまつわるイメージの変遷のなかに、恋愛とセックスが強固に結びつき、男が女によって値踏みされるようになった日本社会の、性観念の変化を読みとる。

<引用終わり>


近代以降における「童貞」に対する社会的な変遷を、主に「童貞が蔑まれていく過程」
という眼つきから分析した、著者渋谷氏が自身の修論を割とそのまま出版したもの。

大学の本屋でタイトル見て吹いた衝撃の一冊だが、内容的には「平凡パンチ」とか
メンズノンノとかといったアンポンタン雑誌に記載の童貞関連言説を分析、挙句に
みうらじゅん&伊集院光の「DT」とかいったのまで引用元とした、ある意味文春らしい
非常にサブカルチックな怪作。

男の操になど産廃以下の価値しか認められない現代社会にあって
愛する人へ貞操を捧げる覚悟を滔々と語る大正浪漫な学生の言説は
かなり大爆笑胸にこみ上げるものがあるが、それ+若干の
メディア言説ぐらいで童貞言説を一般化する物言いには多少乱暴な所あり。

しかし、それはサブカル的な面白ブックとしての価値を何ら減ずるものではないので、
童貞というものを非常に真剣に考えている人や単純にサブカル大好きっ子ていう人は
ぜひ読んでみるといいと思う。


個人的には、童貞かどうかは挿入で決まるんじゃなく精神の問題だと思っているので、
台風にはしゃぐとか火を見ると興奮するとかそういういわゆる「中二ノリが抜けない人」は
すべからく「童貞的なハビトゥス」の持ち主だと思う(僕も)。基本的に「童貞」はそのくらい
各々テキトーに捉えていい事柄な気がするが、「童貞=モテない=対人関係ダメ=キモい」
みたいなイメージが広がっちゃい過ぎてるお陰で現代の童貞は非常に肩身が狭い。

しかし、この「童貞性悪説」を誰が唱えたかとか、何故そんな言説が生まれたのか、
だれがそういう構造の中で利を得るのかといった根本的な疑問に対して本書は
答えを提示できていない。今後の童貞研究の発展を無責任に祈念する。
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by tempari_blg | 2006-05-19 00:07 | 趣味ネタ


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